ヒストリエ4巻からケマル=アタチュルクへ

  • August 05, 2007 14:37

ヒストリエ4巻を読んだ。相変わらず非常に面白い。世界史は試験のために一夜漬けで丸暗記したくらいで、ほとんど勉強した覚えがないので古代ギリシア、マケドニアの歴史あたりもネットで調べながら読む。

4巻の舞台となったパフラゴニアはどこだろうと思って調べると、どうやら小アジア、現在のトルコ北部らしい。(ソース パフラゴニアあれこれ )。しかも後にエウメネスが太守になる地域らしい。数年後、今の連載のペースだと十数年後が楽しみだ。

故郷のカルディアは調べると現在のトルコ領ゲリボル半島ということらしい。

http://maps.google.com/maps/ms?msa=0&msid=115126476695170987766.000436edf4384ca27ad94&ll=40.638967,26.070557&spn=4.109524,7.866211&z=7&om=1

ゲリボル半島といえば、第一次世界大戦における激戦地、物理学者のヘンリー・モーズリーが戦死した場所だったと何かの漫画で読んだ覚えがある。

そんな流れでゲリボリ半島の戦い(ガリポリの戦い)のトルコ側の主役ケマル=アタチュルクにたどり着きました。

トルコ革命もケマル=アタチュルクも、おそらく覚えたことはあったとは思うのですが、それだどんなものだったか全く知らなかったですが、これは凄い。明治維新から戦後民主主義までケマル=アタチュルクという人物は一人でやりとげたと言ってもいいではないだろうか?

ガリポリの戦いから続く一連のトルコ国防戦において勝利を重ねる。 ギリシアとの劣勢側が仕掛ける包囲戦はきわどさも含めて日露戦争時の奉天戦を思い出させる。

戦争が終わり独裁者となってからはトルコの近代化へ押し進める。

政教分離はどこの国でも難しいのに特に困難と思われるイスラム圏で成し遂げているし、女性の参政権をどこの国より早く導入した。

さらに凄いのが教育改革。識字率をあげるために難しいアラビア文字を捨てアルファベットを元に「トルコ文字」を製作。欧州へ留学生を数多く派遣し、近代化の人材育成を行っている。明治維新の指導者は教育改革をきちっとやったところが偉いと思っているのだが、寺子屋などすでにある程度の基盤のあった日本より困難だと思われるトルコで文字を作るところから始めたのには関心するしかない。

軍出身の指導者なので軍事に対して積極的になりそうなものだけど、その後は戦争を極力避け、ケマル死後の第二次世界大戦ではケマルの精神にのっとり極力中性の立場をとった。 (もっとも、場所が場所なだけにケマルの時代においても、現代においても単純な非戦主義ではない)

明治維新以来、日本の数多くの指導者が行った改革をケマルはトルコでただ一人の力で行ったようだ。

もっとも良いことばかりではなく、ケマルの政治的基盤でもあった軍隊の政治への介入はいまでも続いているようだ(戦前の日本と同じ構造ですね)し、少数部族への対応に関する問題などのはケマル時代から続いているようだ。

それを差し置いてもケマルは20世紀のもっとも優れた主導者の一人ではないだろうか?

参考