マイブラ本

  • 3月 22, 2009 13:43

「my bloody valentine」の本が届きました。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン Loveless (P‐Vine Books)
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my bloody valentineは90年代のはじめに活躍していたイギリスのロックバンドで、91年に発表されたアルバム「loveless」は当時流行した「ノイズギター+甘いメロディ」の最高傑作、歴史的名盤とも言われています。

僕にとっては今でも定期的に聴いている唯一のロックアルバムでもあり、とても大好きなアルバムです。

「loveless」発表後に活動停止になり、それから十数年に渡り活動を再開するやら、リマスタアルバムや未発表曲集アルバムが出るとかさまざまな噂が出ては消えていきましたが、2008年、ついに活動を再開しライブ活動などを積極的にこなしています(フジロックにもきました)。

この「マイブラ本」は、再活動前の2005~06年に行われたインタビューが元になっています。

クリエイションを倒産しかけた伝説について

「loveless」には昔からいろいろな伝説があって、中でも

製作に2年以上の歳月と6000万円以上の費用をかけ、所属していたレーベル、クリエイションを倒産させかけた

というのがあるのですが、本を読む限り半分正解で半分間違っているという感じでした。

本では

  • クリエイションはラフトレードのディストリビューションを離れたばかりな上に法人化もされてない時期だった。
  • ケヴィンが想像するに制作費は6000万円ではなく3840万円くらい。
  • クリエイションはアメリカのサイヤーへ所属バンドのライセンス契約を結んでいて1000万円くらいの収入があった。
  • 短期間で作成された前アルバムやシングルは数十万枚くらいは売れていたはず。

と、あるのですが、これもケヴィン側だけの意見なので実際のところは良く分からない。

本を読んで感じたのは、クリエイション側からすればレーベルの転機で金が無い次期だったので前作同様に安く作ってキャッシュを得ようと思ったらあてが外れた。なんとか完成したアルバムを売り出すため、先の宣伝文句を使ったというところだろうか?

実際「loveless」が語られるときに「クリエイションを倒産させかけた」という文句は頻繁に聞くのでレーベル側の戦略は正しかったのだと思う。ただし、こう言われるのはケヴィンにとってとてもイライラすることのようです。

それよりも金関係で驚いたのは、「loveless」製作時、ケヴィンとドラマーのコルムがホームレスだったということ。

クリエイションから週17000円を貰っていたけど、それだけじゃ住む場所を確保できずに空き家を不法占拠してたらしい。

空き家から追い出されたコルムは住む場所を確保するために前金として76000円を必要としてたが、クリエイションは「レコーディングが終わったら空き家を探せ」と言っただけだったらしい。

東京ならともかくイギリスで本当に週17000円(月72857円)で生活できないのか?とか

楽器はどうしてたんだ?とか

いろいろ疑問に思うことはあるけど、レーベルも本人たちも金がないという状態だったのは間違いなさそう。

ただ、レーベル側がもっとケヴィンにとって悪人だったら途中で製作費がカットされ完成しなかっただろうし、

ケヴィンにとって良い人だったら、それはそれで、ケヴィンの完璧主義のために完成しなかっただろう、、、

そう思いました。

サウンドについて

我が家には去年からNiro Q:という良いサウンドシステムがあって、それで音を聴くとびっくりするぐらい良い音というか、いままで聴こえなかった音がはっきりと聴こえてくるのですが、「loveless」を聴いたときは

「???あまり変わらない???」

と、不思議に思ったものです。

他の音楽だと、ドラムやベースがくっきりしたり、細かい息遣いや、指づかいが聴こえるのだけど、「loveless」に関しては、相変わらずヴォーカルは何を言っているかはっきりしないし、ドラムもベースもギターの後ろに隠れてしまって、ギターだけがただ厚く全体を覆っている。

この本はそれに対する答えが書いてあった。

パソコンの小さなスピーカーで聴いても、クラブで聴いても、基本的に僕が望むような、ギターがヴォーカルよりもラウドであってほしかった。 僕が録音したものは、ほとんどモノラルだった。ステレオ・セパレーションのかけらもない。(中略)いかにも効果的に聴こえるものというのは、僕の心には響かない。

あの不思議な音はやはり意図的なものらしい。

ギターについての話もあるのだけど、僕はギターについてよく知らないので具体的にイメージできませんでした。ただ、

みんな「何百万ものギターが鳴らされている!」みたいに言っているよね。(中略)実際には多くの人が作るデモ・テープのトラック数より少ないんだ

というのは意外でした。

労力は意外と、はっきりヴォーカルを聴こえなくするための工夫だったり、ホームレス状態から体調を崩してレコーディングの大部分の時間をドラムを叩けなくなったコルムの代わりに、彼のそれまでのプレイをサンプリングして再構築することの方が大きかったのかもしれない。

ちなみに、2曲を除いて、「loveless」の楽器はすべてケヴィンが演奏しているそうです。

Loveless
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僕にとってmy bloody valentineの「loveless」は特別なアルバムです。

長い間、このアルバムに関しては「音だけ聴いていればいい」という想いがあったので、ネットで調べたりインタビューを読んだりしてなかったのですが(あやしい噂が多すぎて振り回されたくなかった)、この本は素直に買ってよかったと思います。

アマゾンの書影は紫ですが、本当の本はきれいなピンクでなかなか良いです。

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